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付録 本社側VPNの設定(RTX1210・拠点間1対6)

第5章では、支店側(あなたのチームのRTX1200)から本社へ向けて、VPNトンネルを1本張りました。この付録は、その反対側 — 本社側(RTX1210)で行う設定の手順です。本社は6つの支店それぞれとトンネルを張るので、1対6(6本)の設定になります。

本社側の設定は、演習では 講師が実施 します。この付録は、講師の作業リファレンスであると同時に、受講者が「トンネルの向こう端では何が起きているのか」を理解するための読み物としても使えます。第5章 5-3 で学んだ「トンネルは両側の設定がかみ合って初めて開通する」の、その「もう片側」です。

鍵はここにも書きません: 事前共有鍵(認証鍵)は認証情報なので、第5章 5-4 と同じく、この付録にも具体的な値は書きません。当日、講師が管理する合言葉を使います。

1. 前提 — 本社の土台をつくっておく

Section titled “1. 前提 — 本社の土台をつくっておく”

VPNを張る前に、本社RTX1210には次が済んでいる前提です(いずれも講師が事前に準備します)。

項目役割
LAN側IPアドレス192.168.200.1本社ネットワークの出口
インターネット接続WAN側をDHCPで接続(NATオン)支店と同じ「外への出口」(第4章)
WAN側IPアドレスDHCP自動取得(当日決まる)各支店が「対向」として指定する住所
NAS(ファイルサーバー)192.168.200.10 に共有フォルダー演習のゴール地点

本社のWAN側IPも当日DHCPで決まるため、講師はこれを確認し、ホワイトボードの「WAN側IP台帳」に掲示します。各支店は、この値を「対向ルーター」として入力します(第5章 5-4)。

本社RTX1210のWeb GUIで、1つの支店とのトンネルを作ります。

  1. VPN」→「拠点間接続」を開き、「新規」を選ぶ
  2. 接続種別で「IPsec」を選んで次へ進む
  3. 接続先の設定で、次を入力する
    • 接続先のホスト名またはIPアドレス: その支店(チームn)のWAN側IP(台帳の値)
    • 認証鍵: 講師が指定した事前共有鍵
  4. 経路に関する設定で、接続先のLAN側ネットワークアドレスとして、その支店のネットワーク 192.168.n0.0/24 を指定し、設定を確定する

これで、本社から見た「チームnへのトンネル」が1本できます。手順4で指定した経路が、本社宛てに返す荷物(戻りの通信)をトンネルへ向ける道案内になります。

支店側との違い(教材の見どころ): 支店側のRTX1200では、トンネルを作った後に「本社網(192.168.200.0/24)へ向ける経路」を 静的経路として別に手で追加 しました(第5章 5-6)。本社側のRTX1210では、この経路が 拠点間接続の設定画面(手順4)に組み込まれて いて、トンネル作成と一度に指定できます。機器によって、同じ「経路を向ける」作業の入り口が違う — 第2章から続く「設定の入り口は機器ごとに違う」の、VPN版です。

手順2の1〜4を、6支店分(チーム1〜6)くり返し ます。

本数接続先(対向)接続先LAN側ネットワーク
1本目チーム1のWAN側IP192.168.10.0/24
2本目チーム2のWAN側IP192.168.20.0/24
6本目チーム6のWAN側IP192.168.60.0/24

6本すべてを登録すると、本社RTX1210に 6本のトンネルが束ねられた 状態になります。これは、複数拠点をかかえる企業のネットワーク管理者が実際に見ている景色そのものです(第5章 5-1)。全チームの開通がそろったら、この本社側の画面を受講者に見せると、「支店は1本、本社は6本」の対比が実感できます。

  • WAN側IP台帳が埋まってから、接続先IP(対向)を入力します。支店・本社のWAN側IPはどれも当日DHCPで決まるため、台帳の完成が本社側設定のスタート地点です
  • 台帳の支店とネットワークの対応を取り違えないこと。1本でも「対向IP」と「接続先LAN」の組み合わせがずれると、その支店だけつながらない、あるいは別の支店とかみ合わない障害になります
  • 設定後は保存し、再起動しても6本が自動で復旧することを確認します(第5章 5-8 と同じ考え方)
  • 第5章 拠点間VPNの構築 — 支店側(RTX1200)の設定。この付録はその「向こう端」
  • 付録 VLAN設定手順 — 同じく、実機の設定画面をまとめた操作リファレンス